エンジンにガスを供給するのはキャブレターの役目ですが
これ自体がガスを噴射してるわけではありません。
わかり易い為4ストエンジンで説明しますが、
吸入行程にあるエンジンはピストンが下がり外気を吸い込もうとします。
(ポンプと同じですね。)
この時空気通路内に速度をもった空気の流れが発生します。
キャブの空気通路(メインボア)もその1部ですから当然吸気の流れが
発生しますが速度を持った空気が流れると周囲より圧力が下がる事が
知られています。
これを発見したオッサンの名前をとって「ベルヌーイの法則」と言い
この時発生する負圧を「吸入負圧」と言います。
当然キャブ内もこの負圧状態にある為途中にポート(噴出口)を設けると
メインボア内の方が圧力が低いため、ポートからガスが空気の流れによって
吸い出されることになります。
これは、高速走行時大型トラックに追い越されると引き寄せられるのと同じで
トラックの周りの空気がトラックと同じ速度で動いている為
周囲の空気を引き寄せるからです。
流れの速度が上がれば負圧もあがるためキャブのメインボア内には
開口からポートに向けて絞り込みが作られこの絞り込みの事を
「ベンチェリー」と呼び加速される作用を「ベンチェリー効果」と呼びます。
キャブのサイズはこのベンチェリーの直径で呼ばれます。
また空気の流れを制御するためスロットルバルブが設けられこの開閉によって
空気の流れがコントロールされています。
これが簡単なキャブの仕組みと原理です。