人気ブログランキング | 話題のタグを見る

それではそろそろセッティング8

スポーツスターでもっとも交換されるのはリアサスペンションでしょうか。
今でこそハーレー用のサスペンションは多種に及びますが、
オイラの頃は数も少なく、まさに専用を謳って発売されたオーリンズでさえ、
BMのモノサス用がセッティング変更されたものでした。

国産も多く流用され、国産純正や社外サスペンションも使われましたが、
取り付け用のボルトサイズがインチなので流用するためにはブッシュの変更や
カラーの製作が伴いましたが、専用サスの少なさから色々なサスが使われました。
長さも1つの問題でした。
当時一般的なサスは300mm~330mmの自由長のものが多かったのですが、
ノーマルのスポーツスターのリアは13・5インチで約343mmですから0・5インチほど
尻が下がる事になります。
またサスのセッティング特性も問題で、一般的な国産やヨーロピアンは前軸重のが
重いのでライディング中の荷重は前寄りになります。
当然掛かる荷重設定はハーレーより柔らかい物になりますから、これがハーレーに取っては
具合が悪い事になります。

オイラの頃の4速は車重こそ220kgと5速に比べても20kgほど軽いのですが
重量配分は1:1・2で2割ほど後が重いのです。
それとハーレーはアクセルを開けた瞬間から強いトルクを発生するため、スイングアームが
上方に強く引かれることになります。
従って重い後軸荷重と強い引っ張りトルクのお陰でアクセルオンでは直線路においても
設定の柔らかいサスではスクワットしてしまいます。

国産を流用する場合はこのような状況に設定された物など無いので、スプリングも柔らかく
ダンパー不足に陥り、コーナーリングの最中に更にスイングアームが沈みトラクッションが
抜けてグリップを失うような事が起こりました。
初期の頃のレースではこれにより転倒が良く起こったと聞いていますが、ハーレーの持つ
トルクリアクションと重量バランスが特殊なことが原因でした。

ヨーロッパ製のスポーツサスは、この点良くできていて2人乗りフルペイロードで高速の
移動を目的にしているため、全体に硬いという印象がありましたが、これをハーレーにつけても
比較的具合が良い状態です。

大きなリアアクションには強く踏ん張り、コーナーリングなどではちゃんとストロークしますが
踏ん張りも効きトラクションが抜けるようなことが無いので、立ち上がりで大きくアクセルを
開ける事ができました。
オイラは今はなきのコニの7610spDのZ2用を使用していますが、簡単なダンパー調整
もできるので安くて良いサスだと思います。
スプリングのプリロードとダンパーの兼ね合いはセッティング次第ですが、コーナーリング重視
で決めていくとツーリングベースでは硬い印象で、細かいギャップでは跳ねてしまいますが、
コーナーリング時はほぼストロークを使いきっているので、この辺は専用ではない弱みでしょうか。

90s半ばより専用設定の物が多く発売されるようになり、このような苦労はなくなりましたが、
純正も数回の設定変更を経て00‘以降は非常に良くできていると思います。
最後に乗ったのは02‘883のノーマルでしたが、非常にしっかり走り、サスも良く動いていたのでそれ以降では、余程のことが無い限りはサスの変更は必要なく、フロントの油量の調整と
プリロードの設定くらいで十分なのではと考えています。

この車体軸重配分はサスの荷重設定やブレーキのバランス設定にも大きく影響しているので、
ある程度シャーシ周りをいじる上では頭に入れて置くことでしょう。

今日はリアサスの極部分的なことしか書きませんでしたが、ハーレーの場合は目的により
フロントも含めて初期設定より長いものや短い物を使用するため、その選択にって変化する
特性を考慮しなければいけませんし、フロントやブレーキの設定ともバランスを考慮した方が
より楽しく走れるようになります。
by jyai883 | 2008-05-25 14:49
<< それではそろそろセッティング9 それではそろそろセッティング7 >>