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そりでは

前の次は後ろと言う事でリアサス。

よくハーレーのリアサスは固いといわれます。
ギャップで跳ねたり突き上げるとも言われます。

まあ乗り心地だけ言えばそう言う事になります。

しかし乗り心地だけでそう決め付けられないのがサスペンションですが、
ハーレーの場合はこれまた違った常識で作られています。

正直言うとオイラはハーレーのリアサスは柔らかいと感じます。
え~って声が聞こえてきそうですが、1200Sなどの場合は事実です。

00‘以降の物に限って言えば、あらゆる面で改善され使用感は十分ですが、
それ以前のものに関して言えば強めのスプリングに強めのイニシャルを掛け
ダンパーは弱めで、特に80sの物は直線オンリーのようなセッティングで
コーナーでは固いのに腰が無く、リアが下がり気味になってゆっくり滑り出したり
しました。

ハーレーの特徴である太いトルクは回し初めに早い段階で発生し始めるため
コーナーの立ち上がりなどでトルクをかけるとチェーンラインが強く引っ張られ
スイングアームを持ち上げようとします。
これに対するためにはある程度以上のスプリングを使わなければ、トラクションが
抜けてしまうようなことが起こり、グリップが失われることがあります。

ハーレーのレース出場が増え始めた頃、これはまだ常識として知られていなく、
通常のレーシングサスをつけて出場したハーレーに転倒が続出しました。

オイラは固いスプリングは好きですが、ダンパーに不満があり、揺れ出すと収まり
が悪いノーマルからZ2用のコニに変えました。
昔からヨーロッパ製のリアサスは、タンデムで高速の長距離移動が可能なように
作られているので、設定荷重も高く、そのままハーレーにつけても伸びダンパー調整が
できるので不満なく使えます。

イニシャルとダンパーはクロスするように設定してやればベストを探ることができます。

ハーレーの後ろ荷重は常に加重の状態にあり、ブレーキ時でも抜けることが無く
(だから十分な制動がリアブレーキに与えられているのですが)これによって
コーナーではある程度早い段階で伸び始める必要があります。
昔から乗り心地が固いと言われていたコニやマルゾッキでさえ、強めの設定にも
関わらずコーナー時はフルストロークに近い動きをしていることが見られるので
十分なトラクションを得るためには、そして少しでも早くスロットルを開けるには
リアサスの適切な選択と設定が必要です。

オイラの4速の場合ですがコニをコーナーベストにセッティングしてしまうと、
ツーリングなどギャップによる早い動作の必要な時は、対応しきれず
跳ねたり、突き上げられたりして決して良い乗り心地ではありません。
だからと言って、乗り心地重視で柔らかいサスに変えてしまったら、弱いアンダーが出て
コーナーではパーシャルで我慢を強いられてしまうでしょう。

このようなことから乗り心地と旋回性に大きな影響のあるリアサスの選択は難しく、
どちらかを選ぶか妥協するしかないように思われました。
しかし現在の純正品はよく研究されある程度乗り心地と操安性の両立がなされています。
ただやはりコスト的妥協はいたしかた無く、それ以上はやはり高価な専用サスに
求めざるを得ないでしょう。

しかし早い段階で専用開発を始めたオーリンズなどは、良くできていて腰を与えつつ
綺麗にストロークするので流石と言えます。

このようにハーレーにはハーレー独自のロジックが足回りにも存在することが
見て取れます。
逆にあれもこれもの様な、なんにでもどうにでもなるようなフレキシビリティーは
乏しいともいえます。
しかしそこがオーナー独自のバラエティーの豊富なカスタムの違いを生んでいる
原因でもあるでしょう。
by jyai883 | 2006-04-07 22:18
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