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スパイス

今日はちょっとバイクを離れてスパイスの話。

オイラの正体はメカニックでもなく、バーのコックでもなく、本来はカレー屋さん
なのですが(笑、言うまでもなくカレーにはスパイスを使います。

本来はスパイスは種類ごとに 味 香り 風味 色 が違いどんな料理にも
使いますが、日本では薬としての方が珍重されていました。
カレーを作る場合はこれらをミックスして料理をしますが、特別材料に合わせたもの
以外のベーシックな部分はほとんど同じ種類の物を使います。

使う素材によって分量は変えられますが、何かを減らして何かを増やすことに
よって全く違う味に変化していきます。
そこに特にその素材用のスパイスを使うと、全く違ったカレーができあがります。

カレーは使用されるスパイスが多ければ多いほど、ぼやけた、特徴のない
同じような味や香りになります。
これはカレー粉になってしまうと、みんな似たり寄ったりの味になってしまう事で
理解されると思います。

よく30~40数種のスパイスを売りにしたりしますが、そんなにいれたら皆同じですね。
丁度少ない種類の絵の具を混ぜると混ぜ方によって違う色になっていくけど、
多数の絵の具を混ぜてしまえば後は黒くなるだけなのと同じですから。
少ない種類のスパイスを特徴的に使用するほうが、食べる側からみれば
鮮烈で印象的な味にしあがってくれます。

オイラがスパイスの調合をする時、絵の具の調合をする時のように色彩的に感じます。
ペインターが最終的な発色をねらい、最後に1滴黒を落とすようなことをする事も
あります。
味は表面的ではなく積層的だと感じる瞬間です。

ある材料にはメタリックな、ある材料にはソリッドな、ある材料には優しく柔らかい、
味を頭の中で作りつつ調理をしていきます。
ただこれらのスパイスを鮮烈なものにするために大事なものがあります。

「塩」です。
まさにこれらの味を、生かすも殺すも塩加減次第なのです。
オイラはギリギリ強く入れます。
最終的には具材と馴染むので弱くなるのですが、ギリギリまで持って行かないと
スパイスが生きてくれません。
この辺のバランスは季節や体調、入る具材によって変わるので数値化できないでいます。

大体量は明示できますがそこから足していく方向で数回調整をします。
サジ加減とはうまく言ったものですが、カレーってサジ加減の最たるものでしょう。

大変申し訳ないのですが、きちんと正直に作るとカレーは恐ろしく手間とヒマが
掛かる料理です。
原価はたかが知れてるのですが、正直に作るとず~とキャブセッティングしているのと
同じ状態です。
うちのカレーの価格設定はオイラが考えるギリギリのラインです。
これ以上、下げれば手間かヒマかどちらかを省かなければなりません。
そうするとドコでも食べられるカレーにならざるを得ないと思います。

オイラは子供の頃、親に連れられて偶に行くお出かけのときの「ごちそうのカレー」を
皆さんにお出ししたいと考えました。
家でも食べられるし、レトルトも売ってはいますがオイラのカレーはオイラの所でしか
食べられない「ごちそうのカレー」だと自負しております。
まあ自信がなければお出ししませんが(笑、 もし・・・神田の真ん中に店出すのなら
オイラのカレーは¥1200以下はない!と自負しております(笑。

ちょっと高い?、でも今はポーク¥800ですが(笑。

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by jyai883 | 2005-09-03 15:16
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