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今更にマフラー考察 1

今までシステムとしての排気は散々考えてきましたが、じゃあ実際につけたらどうだったてな、
単純な評価はしてこなかったように思うので、今更ながら書いてみたいと思います。

条件はキャブノーマルの状態でセッティングなし。
ポン付けでどうだったかです。
どんなマフラーをつけても、ある程度はキャブ側の補正でそれなりに走れてしまうので、
解かりづらくなるためマフラー交換のみの状態です。

実は1番多くマフラー交換を行ったのは、キャブノーマルの状態でした。

参考までに‘89初期型XLH883スポーツスター4速のノーマルセッティングは、
MJ#170、SJ#35、ニードルは加速ポンプなし専用。

比較に‘90FLSTFファットボーイでもやったので、ノーマルセッティングは、

MJ#175 SJ#45、ニードルは年式専用(ビッグツインは同じ車種でも異なるプロフィールを持つ)
でした。

さて4速883ノーマルマフラーはクソとは散々書きましたが、じゃあ実際にどうかといえば、
全くのノーマルでは出足は125以下、スロットル全開で120でした。
最高速は伸びいっぱいで140でしたから、驚きのお遅さですね。
まさに125ccのバイク並みです(笑。
(ただしコレは4速のノーマルでついていた輸出用のインターナショナルサイレンサー
のお陰で、5速に装着されたものはそれほど悪くなかったのは、今の奥様号が
ノーマルマフラーのままでも普通に走れることで解かりました。)

最初に換えたのは、オプションサイレンサーのスラッシュカット(バロニー)でした。
現物は消音材なしのバッフルのみで爆音です。
驚いたのは抜いた途端に走りが変わったこと(笑。
実際には抜けすぎなのですが、あまりに抜けなさ過ぎたためですが、あ~こうなのね~、
ってな感じでした。
まあ結局爆音すぎるため(この辺はキャブセッティングで感じ方が変わるのですが)。
結局外してしまいました。
おっ!と思わせましたが、音大きすぎでしたね。
特徴的には他の筒抜けサイレンサーと変わりありませんでした。

次につけたのがオプションカーカーのダウン2本出しのやつ。
オイラが原始人の棍棒って呼んでたやつで、ブラックレインCRがつけてたやつです。
一見セパレートパイプですが、下側で繋がった2イン1イン2でした。
音はサイレンサーが大きいため控えめで低音が効いています。
走り出せば全域で効果を感じ、微妙な外見を除けば、非常に良くできたシステムでした。
まあハーレーの特徴で高速巡航をさせると燃費が伸びるのですが、
このシステムをつけて55マイル巡航させると燃費も30km/Lまで伸びましたね。
音、効果共に満足するものでしたが、そのデザインとあまりに錆びやすいメッキのお陰で
1年ほどで交換してしまいました。
その後手放してしまい、CRJでブラックレインレプリカを製作した時に後悔しましたね。
もっとも新品は組み付け精度に問題があるし、その錆びやすさも尋常じゃないので、
わかっている方以外はあまりお勧めしませんが、性能的には公道上では十分満足
するものでしょう。
コレをつけて初めて883って排気量を意識し始めました。

次が突然テーパードサイレンサーが着けたくて、でもノーマルが嫌で上野で買ってきた、
サンティーのテーパードです。
これまたバッフルのみのぶち抜けマフラーでした。
管長も短く、効果は最初のバロニーと変わりませんでしたから、これまた早々に外してしまいましたが、
このマフラーはキャブセッティングが完全に安定してからも装着したことがあり、
このときもクロスフローパイプでつけたのですが、キャブセット出ていれば走った感じも悪くなく、
音もそれほど気になりませんでしたが、実際計れば車検は無理でしょうね。

このマフラーはユニバーサルなため、ノーマル状態のファッツにもつけたことがあります。
(ファットボーイのノーマルセッティングを前述したのはそのためです)
結果はやはり爆音でしたが、883より音が大きく感じましたね。
全体的には抜け気味で、高速走行中、100km付近に大きな谷が出たので、外してしまいました。
そのときはセッティングする気もなかったので、そのまま外しましたがビッグツインではそれなりの
セッティングが必要な事は後述します。

次はスーパートラップでした。
スポーツスターでは定番の4インチ2イン1で、当時オイラがもっとも欲しかったシステムです。
メーカーサイドではディスク6枚以下は使わないでねって言っていたので、オイラは8枚から始め、
セットについてる最大12枚までやりましたが、ノーマルセッティングでは10枚が具合良かったですね。
まあこのマフラーは出口側でも調整できるため、吸気と相互にやると混乱の元ですが、
思い切り抜いてしまってソコでキャブセットを出して、排気でも戻すと解かりやすく、
883では最大18枚でしたね。
コイツはすぐに効いてくるフラットなトルクが特徴で、ドコからでも同じように加速しますが、
薄すぎると2000くらいで谷が出てしまいますから、セッティングもソコが肝になります。
オイラがノーマルで883に付けたときは、それほど抜いていなかったので大丈夫でしたが、
友人の1200Sはダイノジェットを組んでるにも関わらずニードルセットが合わず、薄くて
2000~2400の間で谷が出ました。
この間は面白く、回転の上がりを待たなければ何もできず、この回転数でアクセルを操作しても、
何も起こらないくらい落ち込んでしまいましたね。
ラバーマウントが電気的な進角制御で途中加速がと言ったときに、あ~とおもいだしましたが、
似たような状態でしょう。

オイラがノーマルキャブセットで付けたマフラーは以上ですが、キャブセッティングを施したあとは
皆印象が違っていましたが、ポン付けでつけていたほうがごまかされずに、マフラーそのものの
性格を体感できたので、それはそれで役立ったと思います。
残念なのは、キャブセッティングした状態でオプションカーカーの排気システムを試していないことですね。
それなりに好印象でしたから、実際にはどうなったか知りたいものです。

さてファットボーイのようなエボビッグツインですが、容量の大きいビッグツインのため、
883よりも大きく排気に影響を受けると思います。
しかしそれには大きな振動も伴うので、乗り心地も考えねばならず、性能としての可能性と
乗り心地とのバランスは難しいな~というのが、オイラの印象です。
性能的には如何に速やかに排気してやるかが、スポーツスターよりも重要ですが、
音量や振動とのバランスが無ければ、公道上ではあまり楽しいものではありません。
オイラは結局、ダイノジェットセッティングでスーパートラップで長く乗っていましたが、
一番スピードを出したのも、一番気楽に乗ったのもドノーマルの状態だったときでした。
やはりセッティングを出した状態では、確かにパワフルになりますが、結局振動と音の問題は
バランスさせることができず、結局これはオイラの技量と気合の問題なのですが、
エボビッグツインのノーマルエンジンの特徴なのかもしれません。

最終的に諦めたのは、ノーマル以外のマフラーでは、この中速エンジンの回転数では、
車検適合できないってのもありました。
最大出力が5000rpmのエンジンでは、排気測定をその回転数の60%で行いますが、
ここではノーマルサイレンサーでも排気音規制をクリアするのが大変なのは事実ですから、
吸気とバランスさせた排気システムでは、車検適合させるのは大変です。
しかし当時のノーマルマフラーの容量では(排気量が60%近く違うのに883と同じもの)、
吸気側のセッティング幅が恐ろしく狭く(抜くことができないので、吸うこともできない)。
ノーマルマフラー前提では、ノーマルセッティングにほとんど準じなければ、好結果を
得られなかったからです。
さすがに適合する為にマフラーを再設計するわけにもいかず、オイラ諦めてしまいました。
結局ビッグツインでノーマルマフラーを使用した場合、ノーマルプラスでちょっと不満な
低速をいじるくらいしかできないという結論です。
この結論はあくまでノーマルマフラー前提で、排気を換えてしまえば全然違う結論になりますが、
より普通のサイレンサーをつけた5速883が、意外とキャブセッティングにもよく反応するのとは
対照的で、これは排気容量によるところが大きいでしょう。
もっともノーマル状態のファットボーイは、低速や加速で不満はあるものの、最高速は
883と遜色ないものでしたし、140巡航も難なくこなした、振動も少なく心地よく走れたことを
考えると、メーカーもある程度わかってやってると考えられます。

これらのいたずらの結果、吸気は排気側に大きく影響されると考えるので、
マフラーから換えるのはあながち間違いではないなと思います。
ファットボーイのノーマルマフラーセッティングをしている時、ダイノジェット#200のMJをついけても
燃焼の薄い状態を改善できなかったことから、抜けないってことは、どんだけ吸えなくなるんだと思いましたが、
ノーマル状態を考えると、吸えなければ吸えない量でバランスした吸気セッティングを
考えなければいけないことを学びました。

吸気セッティングには鈍感といわれるハーレーですが、その排気量ゆえの排気には敏感な部分を
理解しなければ、バランスよくセッティングができなってなことなんだと思います。
by jyai883 | 2012-12-14 09:39
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