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頭の中で考えてみて

今回はスポーツスターのエンジンの、更に中でどんなことが起こっているのか考えてみて、
いろんなことに気づけたように思います。
そもそもは去年883ボアアップで棚落ち(ピストンリップの溶融)が比較的起こりやすいことを聞き、
5年前に友人の1200Sで起こった同じ事象、そして実際に883ボアアップをセッティング
したときに感じた熱量、いろんなことが頭を駆け巡りこんな読むのも面倒くさいような記事を書いてしまいました。

883は現在のニューエンジンになるまでは、‘95のクランクの共通化を除けば(まあこれテイストに大きな
影響を与えた変更でしたが)4速の頃から燃焼に関してはほとんど変化がなく、セッティングに関しても
ほぼいずれの場合でもデータ通りか、予測の範囲内で収まってきましたが、1200に関しては
その予測が違ってしまったり、思わぬ結果が出てきたりと、首をかしげたり驚いたりの連続だった
ように思います。

今回燃焼を考える上で、883より1200をクローズアップしたのは、883はベースモデルとして安定した
状態を維持してきましたが、1200にはボアアップも含め様々な状態や変更が存在し、当然出される
結果も一様ではなく、単純に883の延長ではないことを改めて考えてみる良い機会になったと思います。
調べれば調べるほど、パワーモデルとしての宿命的アクシデントの可能性が見え、どうすればそれを
回避できるか、どうすればトラブルを減らすことができるか考えると、やはりそこで何が起こっているかを
考えざるを得ませんでした。

最終的にカンパニーが出した答えは‘95に発表されたS1ライトニングだと思いますが、
スキッシュを大きく取ったハイコンプヘッドに大径バルブ、吸排気効率を上げるためのディレーションの長い
カマボコ型のカム、15%軽量されたクランク。
よりパワーを得るために回転に振ったこのエンジンは、一見ハイチューンのためのパーツの選択に見えますが
燃焼を考える上では、よりノッキングに対して考えられたもののように思います。

燃焼室を小さくし燃焼範囲を小さくし、大径バルブと大きなディレーションで大量の新気を導入して燃焼室
の冷却効率を上げ、すばやい掃気で熱的な問題を克服しようとしているように思えます。
そのためには吸排気の装置も大事で、不必要な大きさに見えるエアクリーナーボックスとサイレンサーは
流体力学的な考察を受け、負圧波を最大限に利用しようとしています。
結果ハイパワーエンジンとしては成功しましたが、ハーレーとしては異なるものになったと思います。
実際スポーツスターには採用されず、1200Sのエンジンもビューエルに採用されなかったのは、
やはり大きなコンセプトの違いがあるからでしょう。

ビューエルをもつ友人も何人かいましたが、燃焼的な問題はオイラは現在まで聞いていませんね。
実際メカニカルなトラブルはあるものの(実際驚くほど部品にまつわるクレームが多かったのですが 笑)
エンジンが燃焼によってだめになった事実があったなら、教えていただきたく思います。

こんな面倒くさいことに長々お付き合いいただきありがとうございました。
少しでも皆さんの一助になればと考えます。

最後に参考にさせていただいたHPアドレスを記しておきます。

コーテック技術資料
http://www.kotec.info/support_ja.html

HRC技術情報
http://www.kotec.info/support_ja.html

NGKプラグスタジオ
http://www.ngk-sparkplugs.jp/entertainment/knowledge/05_03.html

ピストンエンジンは永遠か!な?
http://next.blog.ocn.ne.jp/piston/2006/08/index.html

車関係Q&A
http://cabad806.web.infoseek.co.jp/page178.html

戦いの果てに勝ち得たもの
http://www5.plala.or.jp/Fulcrum/eng/collections/tarbo2/re3a.htm

燃焼方式の基礎知識
http://www.jsae.jp/~dat1/mr/motor21/mr20052113.pdf

そして最後はオイラが気晴らしに見てたお馬鹿な動画です(笑。

by jyai883 | 2010-06-11 09:45
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