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それでは今更にしてCVキャブレター2

それではセッティングに行ってみましょう。
通常直引きのキャブレターはスロットルバルブを直接開閉するので、レスポンスが良く感じますが、
CVはご存知の通り、スロットルバルブに応答して負圧によって、スライドバルブが開閉するため、
レスポンスに時間差が生じることは知られています。

90年代、ダイノジェットの正規販売はこれらに劇的な変化をもたらしました。
これ以降扱いやすさをそのままに、最初のクソキャブの汚名を返上し、みんながつけ続けるように
なりました。

オイラはCVキャブを純正ジェットでいじるとき2つの作業をします。

ひとつは混合気を変化させるために、MJの選択、JNのかさ上げ、必要ならばSJの変更、
アイドルミクスチャーの調整です。
吸排気パーツを適正なものに変える限りにおいては、ほとんどの場合サイズアップしか考えられないので
オーバーサイズを入手しますが、最近はノーマルホルダー用のMJもショップより販売されていますから、
やりやすくなりました。
以前は番手では部品が出ず、ビッグツインなどの番手を調べてから車種を特定して注文しなければ
ならなかったので、非常に面倒くさい思いをしました。

ニードルは濃い目にしか調整しないので3mmビスワッシャーで下駄を履かせますが、6枚を限度として
MJの再考をします。
これはノーマル位置を3段目と考え上に3段(3mm)上げを上限とするためで、これも無闇にいれれば
良いというものではなく、全開状態でNJから抜けるようなことがあると危険極まりないからです。
走行中どんな衝撃があるか分かりませんから、負圧で上下するとは言えそんなことが無いとは言えません。

SJに関しては必要がないと変えませんが、変更する場合は選択した排気システムによる場合に限られると
思います。
以前書いたとおり、集合管はオーバーラップの部分で谷が出る場合がありますから、あまりにひどい場合は
サイズアップしますし、セパレート管などで下が細い場合も有効でしょう。
オイラはリジットマウントしかセッティングの経験がありませんが、ラバーマウントの1200のSJが#50まで
行くという話しを聞くと、やはり排気システムの影響があると思います。

ミクスチャーの調整は2回転もどしから始めますが、ハーレーのアイドルの反応は鈍いためノーマルSJなら
最初から23/4~3回戻しで決定してしまっても良いかもしれません。
乱暴な言い方ですが、極端なオーバーサイズを入れない限りはそれほど変わらないのも事実です。
ただしアクセル全閉時にアフターファイヤーが鳴る場合は調整不足です。

MJのジェッティングですが883の場合純正ジェットで#185で前後5番、ダイノジェットで#165で
前後5番がベストと考え、また1200では純正ジェットで#195で前後5番、ダイノジェットで#185で
前後5番程度と考えます。
しかし実際は、吸排気の選択、進角の違いによって変化します。

以前ネットで流布した883のセッティングでMJ#185、JN1・5mm上げの数値の言いだしっぺは
オイラですが、現在もうちの2台の883はこのセッティングです。
しかしながら他の条件が全く違う2台の乗り味は、全く違うものですからこの辺はセッティングの
楽しさだと思います。

オイラはMJの選択は常にどちらかといえばギリギリ薄めで選択しますし、
中間は、ニードルの上げにより変化しますから、1度決めたセッティングははっきり結果が出ない限り、
変更はしません。
またニードルはほとんどの場合1~4枚上げの間で出るでしょう。
正直5枚以上ではMJの変更を考えますが、解っていてニードルの範囲を強調する場合もあります。
この場合はMJを薄めに落として全開域より、中間域を強調するのに有効です。

SJの選択は良く低速側のみと考えられますが、あくまで負圧が強くない状態では影響します。
MJへの加速のつながりや、それほど高くない巡航速度においては影響しますから、下道では燃費には
影響が出ますね。
ミクスチャーのガスはSJで計量されますから0~影響しますが、ミクスチャーを開けること=ガスを濃く
すると勘違いされていますが、結果は同じですが、実際はガスの供給量が増えるわけで、濃度が上がるわけではありません。
したがってSJがサイズアップされると計量も増えるため、スクリューの戻し回転数は減ったりします。

次はもうひとつの作業についてです。
by jyai883 | 2010-05-11 16:57
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