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4速スポーツスターのこと(これからの4速乗りの皆様へ)8

4速スポーツスターの電気は古いシステムに属します。
発電はクラッチ裏に配されたオルタネーターによりなされますが、クラッチハウジングに取り付けられた
マグネットが剥離してしまうことがあります。
ここからレギュレーターにより整流されバッテリーに電力が供給されますが、5速のレギュレーターとは
配線の長さも異なり、電流量も違い互換性はありません。

バッテリー端子は、現在のものと逆のものを使用し、グランドアースすることによってボディーを通して
直接的に電源とするボディーアースが多用されますから、配線上アースコードは非常に少なく、
絶縁部にはアーシングが付けられている場合があります。

サーキットの遮断はブレーカーによって行われますが、電気制御される部分が現在に比べると非常に
少なく回路も単純なためこのようになっていると思います。
ショートなどにより回路が遮断されても、冷めればブレーカーは復活するので、ごまかしながらの
走行が可能という利点はありますが、担当回路が大きいためトラブルの発見に手間がかかる場合もあります。
このシステムは洗練されながら97‘まで使用され、その後が現在のようにヒューズに置き換えられました。

点火はポイントカバー内のセンサーによってピックアップされたクランクポジションの電気信号によって、
VファイヤーⅢというシステムのモジュールで制御されます。
またコイルまで含めた点火系のハーネスは独立したもので、4速では直接モジュールより配されているため
モジュール交換時にはハーネスごとの交換になりますから、ハーネスは機会があったらカプラ接続の
独立したものに交換しておいたほうは、何かと便利に思います。
また旧タイプのハーネスキットのカプラは、現在使用されるドイツ式8ピンの防水カプラと違う7ピンの
物が用いられますが、これにはVツインより7~8の変換ハーネスが出ているので、コレを使用すると
使用できるモジュールの幅も広がって面白いでしょう。

ウィンカーはシングル球の1コードでフロントは日本では使用されないギボシで、リアはカプラに直接
接続され、アースはボディーからとされているので、2コードのものを使用する場合はアースを使用しないでも
点滅します。
接続は新たに接点を新設した方がやりやすいのですが、接続をウィンカーボディー内におくときれいです。
また、制御はモジュールではなくリレーによってなされますから、国産のものに置き換えても差し支えありません。
ヘッドライトはシールドビームですから、レンズを設置すればハロゲン球タイプに交換することができます。
テールランプは90年代まで同様のタイプですが、中に入っているレンズのラバーがヘタリやすいので、
偶に確認しないとレンズスクリューが緩んでいることは良くあります。

ブレーキスイッチは、前はスイッチハウジング内のボタンからレバーが離れると点灯する機械式、
リアはブレーキライン内にある油圧式ですが、リアのスイッチは偶にオイル漏れを起こすので
注意しましょう。
またフロントのマスターシリンダーを交換するな場合、油圧式でラインに設けるか、国産流用の場合は
スイッチ接点から配線を増設して、マスターについているスイッチを使用することになります。

電気は使用に差し支えなければ、新しいものに置き換えることができます。
コレはコイル等も同じだし、プラグコードなどは消耗品ですから、定期的な交換が必要です。
4速車の電気に関しては、それほど複雑ではないことから、接点の導通や配線上のショートなどに
気をつければ走れないようトラブルに陥ることは少ないと思います。
それでもそろそろ電線等の硬化は否めませんから、機会があればハーネス等の交換を行ったほうが
良いでしょう。
by jyai883 | 2010-02-19 09:50
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