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楽しいバイクスポーツスター3

88‘に初めて乗ったスポーツスターは、その外見とは打って変わって乗りづらいものでした。
最初の数年は大陸的な乗り物だな~と思いながらも時より見せるその素性を楽しみながら乗っていました・

磨耗に強い扁平な硬いタイヤは神経質に路面状況を伝えます。
海岸通、新橋付近にあった大きなコーナーはコンクリートに細かいたて溝の掘られた道でしたが、
この溝にはまった途端このタイヤでは怖くてラインを変えられず、レール上のごとくやリ過ごすしかありませんでした。

前後のサスは弱いスプリングにパンパンにイニシャルを掛け、弱いダンパーで制御します。
サスに関しては年々歳々改善がなされてきましたが、当時はそんなでした。
平坦な直線の道では乗り心地が重視されるので良いのでしょうが、峠道もさることんながら、曲がり角
だらけの都会の道でも腰の無さを感じます。
動かないサスは、強いショックには底づいてしまいまい、収まりも悪い。
挙句に偏ったバランスで行うブレーキングでは姿勢の制御すらおぼつきません。

更にブレーキは高い耐摩耗性、止まることはできうるもののコントロールなどというにはあまりにも極端に
止まるか止まらないかしかありません。

エンジンそのものはその実力を知る以前の問題として、スポイルされたものでした。
結局これらを改善し、走りを楽しくすることがオイラが長い間にやってきたことですが、
最近思うのは、オイラはバイクを改善してきたわけではないのではないかと思うようになりました。

昨日は、このバイクの「走る、止まる、曲る」の3要素はライダーの側にあると書きました。
国産バイクではこの3要素はバイクの能力として十分すぎるものが備わっています。
ライダーにとって最初から性能として高い能力が備わっている国産バイクは、自在に乗りやすいものです。
しかしスポーツスターはこの要素をライダーに託されていると言っても良いくらいです。
まずこの3つの要素を意識したライディングをしない限り、どうしようもないバイクであるはずです。

しかし意識としてこの要素をライダーが認識して走り、すべての要素に対してはっきりと自分の意思を
伝え始めるとスポーツスターは急に活き活き走り始めます。
次にもっと明確に意思を伝えるためにそれぞれのパーツを交換し、セッティングし、チューニングしようと
するでしょう。

走る要素とパーツ交換の必要性は、このようにライダー側からの意思でバイクを操作しやすくするための
必然といえるでしょう。

なぜなら・・・自分の意思でバイクを操ることがあまりにも楽しいからでしょう。
この楽しさをより増幅するために、そのためにより明確な意思をバイクに伝えるために、さまざまな行為は
行われると思います。
考えてみればそんな当たり前のことができるバイクが少なくなった今、スポーツスターは乗リ手の意思によって走らせることができる、数少ないバイクになってしまったといえるでしょう。

走りに求めるものは、ライダーそれぞれによって違います。
その伝えようとする意思もまたそれぞれ違ってきます。
このさまざまな指向性に対し、スポーツスターもさまざまに答えてくれます。
このバイクのカスタムがさまざまな理由は、このように存在する理由がバイクにではなくライダーの側に
あることでしょう。
スポーツスターの存在理由がライダー個人の存在理由でもあるといえると思います。
by jyai883 | 2009-11-29 12:00
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