先日samansaさんと話していて、883の燃焼室の話しになった時、オイラは883は全て球形燃焼室だと
思っていたのですが、調べなおすと87以前のサンドキャストは楕円燃焼室だと判りました。 これは改めて訂正させていただきます。 しかしその後のダイキャストヘッドも球形と書かれていますが、完全な円周ではない少し尖った部分がある ひしゃげた形をしています。 完全なラウンド形状を持つものは4速の頃はカタログでXRヘッドと呼ばれて売られていたものですね。 1200にボアアップする場合はテンプレートまたはガスケットを使い完全なラウンドに修整しますが、 スタティックな圧縮比を9:1以下にしないと熱的にきついでしょうね。 先日のsamansa さんの1200ボアアップの棚落ちの話を考えてみると、高い圧縮比、883の小さすぎる バルブ、開かないノーマルカムの三重苦で高回転では排気側が熱的に苦しいので、MJをかなり上げないと やはりピストン事故の危険性はありますね。 更に5速になるとハイスピードの点火進角も遅くなりますから、更に危険性は高まります。 でもまあ全開高回転域でって但し書きがつくので、一般的な公道走行では問題はないのでしょうけど、 レーサー的走りを長時間続ける場合は要注意で、ヘッドワークをやるかローコンプピストンにするか、 カムを換えるかしないとヒート気味な状態になりやすいと考えます。 そこから相方のかちかち山事件を考えると、回りやすい薄めのセッティングに遅い進角、溜まったカーボン と高めの圧縮比と言う条件が全て揃った状態で、ヒートしてしまいピストンの溶融を招いたと考えます。 1200Sのノーマル進角は以外と遅いですから、この辺も上が回りづらい原因ですね。 883もボアアップした場合、1200ノーマルよりバルブ径が小さく、カムもそれほど開かないので排気的には 苦しい状態です。 これに正確ではない作業により、圧縮比が上がれば燃焼力も上がるので一気に熱的に苦しい状態になります。 ノーマルマフラーなら回りづらい状態になるだろうから、それほど高回転は気にならないでしょうが、 そこまでやったら普通吸排気もやるでしょうから、俄然使用回転域も上がるので、そうなると決まってしまった 排気効率以上に熱は抜けてくれませんから、俄然熱的に苦しくなります。 これで更に点火が遅ければ燃焼の時間的な問題で熱がこもりやすく、ヒートが促進され事故につながるでしょうね。 これによりチューンナップスポーツスターに対するヘッドワークが大切な事が判ります。 SSC全盛時の883のレギュレーションにおいても排気バルブはSE製のレーシングバルブに交換が 許されていたことが、排気に対するその重要性を物語っていると思います。 ハーレーをいじっていると以外と吸気には反応がダルですが、排気に関して抜けが悪い状態では 俄然ヒートしやすくなるし、パフォーマンスが悪くなる事が感じられますが、吸気バルブに比べ 排気バルブは小径なので、マフラーの抜け次第で直ぐ走らなくなる事が判ります。 883の最大のチューンは1200へのボアアップと良く言われますが、これは確かに正しい意見です。 ただし乗り方によっては、上記のようなリスクもあるし、ボアアップそのものの作業においても 信頼できる確かな腕と経験があるところに出さないとリスクが生じます。 全ては常識的な公道速度では起こりづらいと思いますが、そのパフォーマンスを全て知りたいと 思うときには大きなリスクもあることを覚えておいた方がいいでしょう。 89‘以降1200はファイナルを落とし全体のギア比をさげて最高速度の回転を下げてきたのは、 このようなリスクの低減のためなのかもしれません。 確かにより高いギア比の方が加速は豪快だし、エンジンも良く回りますが、ヘッドワークやカムの交換、 マフラーの抜けの問題をクリアしないと熱的な問題は付いて回るだろうし、オイルクーラーがどうだというような 2時的な問題ではないでしょう。 まあだから直ぐに壊れるとか言うわけではありませんが、883ボアアップの場合は、簡単にギア比の見直し や排気側のへの対処、オイルの管理と選択などの考慮うをしていれば、長く楽しめると思いますが、 根本的にはヘッドワークやカム交換が必要であり、高回転では苦しくなる事を覚えておいた方が良いでしょうね。
by jyai883
| 2009-08-24 00:06
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