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ハーレーのエンブレ

昔からハーレーはエンブレが禁物とか使わないほうがいいと言う言い伝えがあります。

これはあながち間違いでは無いのですが、正しくもありません。
日常走行程度では普通にエンジンブレーキを使っても壊れる事はないし、
2気筒の強烈なエンジンブレ-キは車体の重いハーレーにとって不可欠です。

さてこの言い伝えの出ドコはドコかと言うと、ハーレーエンジンの特性にあるでしょう。
国産に比べれば驚く程重いフライホイールと低いアドリングこの2つが大きな原因で
ある事は間違いないところだと思います。

高速巡航時はその大きなクランクの慣性で少ない出力と低いい燃費の走行が可能になります。
重いフライホイールに溜まった慣性出力が勝手にエンジンを回転させる為そのような事が
おこります。
ハイウェイ移動が当たり前のアメリカ的考え方です。
そして低いアイドリングはエンジンブレーキの際、大きな吸入抵抗になりますが上記の慣性は
そのまま回転し続ける方向に働き続けるので、強引にピストンが引きづられ吸入抵抗と
あいまって両者を繋ぐコネクションロッドに大きなストレスを与えます。

通常走行の場合はそれでも強度の範囲内なので問題はありませんが、
レース的乗りかたの場合は全閉と全開が繰り返される為そのストレスは大きなものとなり
このコンロッド周辺のトラブルにつながる事があります。
クランク側のピンにガタが出たり、ピストン側ピンに段がついたりして、シリンダーや燃焼室に
ダメージを与える事もあります。

また特にスポーツスターですがクランクから駆動を取ってる4つのカムシャフトが大きな抵抗になり
クランクシャフトギアを引き千切るような事も起こります。
レーサーなどは故意にアイドリングを大きく上げてこの吸入抵抗を小さくしようとしたりします、

ただこのような事例はレース的な乗りかたの際に起こりうる事で、通常走行で使用する際は
普通にのってればほとんど起こる事はありません。

それとショベル以前やスポの4速最初期以前の物はミッションギアの製品的問題で
焼きが強く入っている物がありエンブレの際の後輪からのバックラッシュで欠損や破損があったものがありそちらから来てる場合もあります。

つまりこの様なことが起こる可能性はあるものの、通常では起こり得ないので一般走行では
エンブレを使っても大丈夫と言うことですが、エンジン別に奨励されるアイドリングスピードの変更や
ハイカムなどの大きな吸排気チューンがなされた場合は、気をつけた方がいいでしょう。

そんなこともあるよ位に頭に留めておいてもいいでしょう。
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by jyai883 | 2005-03-31 14:40

3拍子

ハーレーのアイドリング音と言えば3拍子!。
でもオイラはあまり好きではないのです。

クラシックなハーレーから現在にかけて、ハーレーは次第に高回転、高性能化されてきています。
クランクは軽量化が進み、最新のモノにはクランクポジションセンサーで点火制御の役目も持たされ、より正確な点火が可能になっています。
高性能化されるエンジンでは必然熱量も問題になり、オイルによるエンジンの冷却はより重要性を
帯びていきますね。(純製オイルに化学合成が登場したのもその理由)
アイドリングの標準スピードも徐々に上がっていますが、これはオイルの潤滑による冷却をより効率良く行う為でしょう。

さて実際は変速の4拍子である所謂3拍子ですがエンジン回転では500rpmを少し越えたぐらいのところでオイルプレッシャーは余り高くありません。
現在のエンジンではキャブのセッティンングや点火進角のポジショニングの関係であまりキレイには出てくれません。
出やすい車体はどれかといわれると90年代後期の883かな?。
らしさ満点の3拍子もエンジンの側から見ると結構きつい事なのです。
エンジンのオイルプレッシャーは設計段階で決められますが、当然最低回転数も決められるので(オイルポンプの性能上)それを満たせない場合も多々あります。

進角が余り高くない条件で(進角装置を機械式などあまり低回転では進まない物にする)で低速のガス濃度をあげてやると比較的簡単に出せるのですが(バキュームセンサー等で進角してる年代のモデルは低回転時の弱い吸入負圧によりガスの充填量が少ないので火焔伝播速度があがらないため、進角を早める必要がありこれが作動するとアイドリングがあがる)このアイドリングの低さは、走行時のエンジンブレーキをかけた時には一転大きな吸入抵抗となり、クランクのクランクピンに過大なストレスを与えます。

昔からハーレーは余りエンブレを使用してはならないと言う言い伝えの真実です。
実際レーサーなどはこの過大なストレスを最小限にしようとアイドリングを2000程度まで上げるものもあります。
レーサーではコンロッドの折損などの原因にもなります。

ロード上では国産と比べれば驚く程重いフライホイ-ルを持つハーレーですが近年の軽量化と点火システムのコンピューター化が進み3拍子を出すのは1つの作業になりつつあります。
しかし上記の理由であまり御勧めはできません。
まあ好き好きなので止めはしませんが、リスクもある事は覚えておいていいでしょう。
特にぶん回す方は気を付けた方がいいでしょう。
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by jyai883 | 2005-03-28 14:02

CVキャブのスライドピストンがあがる訳

今日は非常に部分的なことを書いて見ましょう。

CVキャブのメイン系の燃料供給は負圧によりスライドピストンが持ち上げられ、ニードルが上がって
メインボア内にガスが吸い出される事は知られています。
ではなぜ負圧が発生するとスライドピストンは上下するのでしょう。

CVキャブの上部にはサクションチャンバーと呼ばれる膨張室があります。
スライドピストンはここからメインボア内に挿入されています(ま~いやらしい)。
さてスライドピストンの上部にはダイヤフラムと言うゴムのビラビラ(もっといやらしい)が
つけられていて傘状に広がりサクションチャンバーの外周につけられます。

この事によりサクションチャンバーはダイヤフラムを境に上下二つの隔絶した部屋に仕切られることになりダイヤフラム下部は膨張室その物であり、上部はスライドピストンの中空部を通りメインボアとつながります。

さてエンジンが始動してスロットルが開けられ走行が開始されます。
スロットル開度がある一定以上の開度に達し、メインボア内の吸入負圧が一定以上に達するとスライドピストン下部に設けられた小さな穴(バキュームホール)からダイヤフラム上部の部屋の空気が吸い出され負圧化され気圧が下がります。
その時膨張室下部は大気開放されている為大気圧のままなので下部の空気は膨張をはじめ仕切りになっているゴムのダイヤフラムは風船の様に上部に向かって膨らみ始めます。

このゴムが膨らむことによってダイヤフラムが付くスライドピストンは上方に押し上げられニードルが
上がるのです。
メインボア内の吸入負圧はスロットルによりコントロールされ上下するのでその圧力の変化に沿って
サクションチャンバー内の負圧も変化する為スライドピストンは上下可能になりコントロールされています。

昔のCB-FやSUキャブなど初期のCVキャブではダイヤフラムを持たないものもありますが
理屈は同じでスライドピストンその物にシールがつけられ気圧差が出るように作られいます。
このタイプのキャブはガスの供給その物ではなく、空気の流入をコントロールしてガスを供給しているとも言えるでしょう。
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by jyai883 | 2005-03-24 11:29

速度域

ちょっとヤボ用が入ったりしてサボりましたがまたボチボチ始めますね。
っで今日は速度域の話。

ミッションの中には異なった比率のギアが組み込まれていてエンジンの回転数に合わせて
速度を出しますね。
そこで今日は決まった速度だけで考えて見たいと思います。
それは50~60kmと言うレンジです。
最近5速でこのレンジでの走行は可能でしょうか?と言う質問を良く目にします。
ハーレーは様々な規制に対応する為ガスは薄めにセットされているので
エンジンの要求する濃度ガスを供給すれば、可能ですが果たしてその必要性はあるのかどうか考えて見ます。

5速のスポでは883では1600~1900くらい、1200では1400~1700くらいの回転域になります。
スロットルでは1/8開度程度で、担当はミクスチャー開度とその濃度を決めているSJになります。
しかしノーマルまたはそれに順じたセッティングがなされたデータグラフを見ると実際トルクの上がりは2000回転以上で始まり、3000以上4500前後でピークを迎えます。
つまり2000以下ではクランクが回ろうとする力そのものが大きくない事を示します。

この範囲は加速状態では普通に通り過ぎてしまう所なのですが一般道では巡航域になるので気になるのでしょう。
しかしこの速度域からの5速の加速は走行抵抗が大きく、エンジンもスムーズに回っていない状態
なのでクランク各部に大きな負担になります。
1速下では充分な力をエンジンが蓄えているのですが5速ではその1歩手前になります。

この回転域は低速走行フィールやレスポンスには重要な所なので是非セッティングは出しておきたいのですが、実際その速度域で走行する事を考えると巡航するだけでエンジンの負担を考えて加速は控えたいところです。
セッティング的にはノンスナッチ(アクセルを開けていかなくてもノッキングが出ない最低速度)を下げて低速走行時のギクシャク感を解消し、スムーズな走行が可能になります。

ウチのバイクは全てトップ45kmでも走行が可能ですが開くまでセッティングのチェックの為であり
ここから大きく加速させることはありません。
そう考えるとセッティング的には必要なのですがエンジン的には実走行を控えた方がいいでしょう。
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by jyai883 | 2005-03-20 02:37

雑記

ここ数日の暖かさに誘われて、今ウチのバイクは虫干し中です。
放置二月以上3台中2台液バッテリーと言う悪条件の中どれもセル一発始動してくれています。

実際はセル1発は完全なドライスタートなのでさせないのですが(笑、長回しのあとできっちりエンジンは始動してくれました。
スタートすれば最低40kmは走らしてオイルも回してやっています。
季節はもうすぐですが仕事が悪戦苦闘中なので今いち気分が盛り上がらないところです(笑。

でも調子の良いバイクに乗ると気分転換にもなるし、いろいろな考えも浮かぶし、何より気持が軽くなってくれるのが救いです。

あ~明日もがんばろうって気にさせてくれますね。
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by jyai883 | 2005-03-19 01:54

吸排気の流れ

昨日エンジンの原理説明のなかでも書きましたが今日はなぜ吸排気通路の大きさが
適正じゃなければいけないかのか言う事について書きます。
理屈はキャブのトコでも書いたし何となく解って貰えていると思うので、
今日は実験で高回転時と低回転時に口径の違うキャブやエキゾースト、エンジンの中で何が
起こっているのか体験して貰いましょう。

実験器具は自分の口です(笑。
吸気通路から排気通路までの流れはピストンのポンピングによって起こるので
状態は人間の肺呼吸と一緒です、高回転時を強い呼吸、低回転事を弱い呼吸で
体験できます。

1)小口径のキャブ、11)小口径のエキゾーストは口をつぼめて、2)大口径のキャブ22)大口径のエキゾーストは目イッパイ口をあけて呼吸をしましょう、それぞれは番号で置き換えます。

弱い呼吸の時1)+11)の組み合わせは以外と流速を感じ楽に呼吸ができるはずです。
2)+22)の組み合わせは以外と空気を取り込めず吐き出せず苦しくなります。
強い呼吸の時1)+11)の組み合わせは先の流速が抵抗に感じ呼吸に時間がかかり始めます。
2)+22)の場合はいっぱい呼吸はできますが以外と力が必要です。
同じ事を1)+22)、2+11)でもやってみましょう。
弱い呼吸の時1)+22)では楽に吸え吐く時も以外と息が出ます。
2)+11)は吸うのに力が要りますが楽に吐けます。
強い呼吸では1)+22)の場合吸うとき強い抵抗があり、吐く為には力が必要です。
2)+11)の場合は余り吸気が入らず出るばかりで苦しくなります。

楽に呼吸をしようとすれば自ずと適切な口の開きになり強い呼吸も弱い呼吸も同じように
可能なはずですが、適切な吸排気径の選択がなされないノーマルエンジンでは
(系の数値変更がなされない状態で吸排気の部品変更だけなされる状態)肺活量が変わらない
呼吸においての上記のような状態が起こっていると考えられます。

吸排気径の適切な数値選択はエンジンに楽な呼吸をさせる為に必要な事で
メーカー数値はノーマルエンジンにとって最も適していると考えられます。
お陰で頭がクラクラします(笑。
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by jyai883 | 2005-03-11 11:17

エンジンとは?

オイラがいつも頭の中でもつイメージは手押しポンプなのです。
井戸でも自転車の空気入れでも良いのですがハンドルを上下させて空気や水を出すアレです。
空気や水を流体として出し入れするためハンドルを上下させ中のピストンを上下させますが
このピストンの対する入力が逆に出力になればエンジンと同じ働きになります。

本来ポンプは水や空気に圧力を加えて出力し流動させるのが目的ですがそのためにはピストンを
上下させる外部からの入力が必要です。
エンジンは内部に流動させる物質のもつ爆発力を利用して入力しピストンに圧力を加え外部に
出力します。
運動方向は一緒ですが入出力方向が逆になります。

どちらも持続的に上下運動をさせるためにクランクを使って回転運動を利用すれば
ポンプは外部から回転運動を利用して入力され上下運動により出力が行われますが
エンジンは内部の爆発で入力され上下運動をおこして回転運動として出力するとも言えます。

ポンプもエンジンも如何に効率良くピストンを上下させ通過する水なり空気なりを流動させるか
が問題になりますがシリンダー容量が決まっているためピストンの直径に適した大きさの
出入り口の直径を持たなければ上下運動に対する抵抗になったり、ポンプでは流体を動かすための
圧力のロスに、エンジンでは爆発力の低下につながるため、大き過ぎても小さ過ぎてもいけません。
出入り口につく弁も自ずと同様ですし、通過する通路の長さも影響します。

自転車の空気を入れるとき感じる様々な抵抗が実はエンジン内部で起こっているのです。
吸気や排気のモデファイをする時は如何にエンジンにとって効率的になるかを考えるのは
そのためなのです。

だからと言って自転車ポンプを吸排チューンするのは止めましょう(笑。
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by jyai883 | 2005-03-10 12:10

最初に


まず書いておかなければいけなかったんだけど、オイラの話のベースの部分を明らかにしておきます。

まずオイラが話をする大前提はノーマルエンジンだと言うこと。
これはチューニングエンジンに当てはまらないと言う意味ではありませんが
チューニングエンジンの場合目標が定められ、その目標に向けて特化させるので
話が一般的になり難いのと、ノーマルの普通の状態では体感しづらい部分が出て来てしまうので
一般的ではないのです。

例えばオイラは常に同じ分母の上にのる変化させられる分子の話をすることが多いのに
チュ-ニングエンジンは分母そのものが変化するのでまったく条件が異なってしまう事が
起こるためです。

実際話の中に分母を変化させられる方法などが出てきますが、これらは数多くチューニング
エンジンに携わってきたショップの方が遥に多くのデータを持っているのでそちらに直接聞いた方が
判り易いでしょう。

そこで今日はヨタ話といきますね。
オイラはエボのスポーツスターエンジンを見るとき3種類の異なったエンジンがあると認識します。
1プラグエンジン、2プラグエンジン、1プラグのチューニングバージョンとしてビューエルエンジンです。

まずは1プラグエンジンですが、過渡期の4速時代から5速になりほぼ完成の域に達し
初登場以来改良を加えられながら18年間使いつづけられた息の長いエンジンです。
耐久性に優れ、バランスの取れた特性を持ち、扱い易く、セッティング次第でレーサーにも
ツアラーにもなるフレキシビリティーをもったエンジンでした。
回せる人にとってはそのタガが外れたような走りが体感でき、のんびり走る人にとっても
ちょっとしたスポーツ性を体感できるようなやさしいエンジンだったと思います。

2プラグエンジンは1プラグの派生型として98‘の1200Sから登場し1200のみに与えられた
スペシャルエンジンでした。
1シリンダーに2本のプラグを持ち独立点火とスペシャルカムで登場しよりスポーティーさを
強調しようとしたのだと思います。
ただ特に中低速が強調された為ダッシュはいいのですが、上は1プラグより回りづらい印象が
ありスピードは乗るのですが、オイラ的には頭打ち感が強い印象がありました。

1プラグはエンジンの回転の伸び、2プラグはエンジンのレスポンスが際立つ印象が
オイラにはあります。

エボビューエルエンジンは1プラグエンジンのチューニング版で内部パーツのほとんどに
ハーレーのエンジン部門のもつテクノロジーが惜しげもなく使われ、チューニングには
レーシングエンジンも手がける部門責任者があたりました。
広いポートと大系バルブに強化スプリングがセットされ広めのスキッシュエリアが設けられた
高圧縮のヘッド、テフロンコーティングされたピストン、15%の軽量とバランシングされた
クランク、ノーマルでは考えられないような高さと長さをもったカムによって組みたてられた
エンジンに外部企業を使い高い吸排気効率と高い静粛性を両立させた吸排気システム。
耐久性を損じることなくスポはこうやっていじるの見本を見せられたような気がしました。

事実エンジン出力ながら最終的には100馬力を超え、ノーマル1200よりも出力で
30馬力以上上げて見せました。
これはちょっと前の完全なレーサーに匹敵します。
これをほぼノーマージンで乗れたのですからスゴイことでした。
非常にクレームの多いビューエルでしたがエンジンそのものは個体差以上のものは少なく
技術の高さが伺えます。

スポのエンジンはそれぞれに目的に応じた個性をもたされた良いエンジンだと思います。
しかし市販ベースではそれが100%発揮できる状態ではない事も事実です。
オイラは常に本来ノーマルエンジンがもつ実力を垣間見ようと、セッティングや部品の変更を
します。
ただあくまでノーマルのエンジンでの話なのです。
なぜならノーマルエンジンはすでに充分な安全マージンがメーカーによって与えられているからです。
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by jyai883 | 2005-03-08 11:13

コンプレッション

では今日はエンジンの圧縮をさらっと突っ込まれない程度に(笑。

ハーレーに乗って特にスポでは883→1200のボアアップは良く聞きます。
この時必ず出てくるのが圧縮(コンプレッション)の話です。
燃焼室容量でピストンが目イッパイ下がったシリンダー+燃焼室の容量を割ったもので
これでシリンダー内の空気が何分の1まで圧縮されるのかがわかります。(圧縮比)
逆に言うと吸い込まれたガスが燃焼室状態で何倍の密度まで凝縮されるか知るためです。

ピストンが運動する時様々な事が燃焼室内で起こるのですが単純に圧縮だけを考えると
より高密度のガスの混合体を作り出すためで、何故かと言えばより高い爆発力を
得るためだと言えます。
じゃあ高ければいいかと言うと圧縮が高くなればなるほど当然抵抗も大きくなるので
まわりづらくなるし、低過ぎれば力なく回転が上がるだけと言う事になります。
やはりこれにも適正があるのです。

これを踏まえて1200へのボアアップをみていきましょう。
まず883を1200にボアアップするとシリンダーの容量が1本150cc程度増えます。
もしノーマル同様のフラットトップピストン(平らな面の)を使用して
このまま圧縮させるとノーマル9:1に対し11:1以上の高圧縮比になってしまって
回りづらく且つ未加工の燃焼室では様々な燃焼の問題も出てきますので
燃焼室を削って容量を増やし圧縮比を下げます。

もともとボアアップでシリンダーの内径が12mmほど大きくなっているので
その接合部をシリンダーに合う様削ってやればこれで10:1程度まで落ちます。
ノーマルの1200は9:1なのですが同じにするには同様な加工が燃焼室に
必要になります。
これ以下に下げるには(燃焼室の容量を上げるには)ピストンを削りますが
これは市販の最初から凹みが設けられたピストンを使えばいいでしょう。
これで9.5:1ほどに下げる事ができます。
このピストンをノーマル1200のリプレイスに使うと8.5:1程度まで圧縮を
下げられるはずです。

この様に燃焼室容量はピストンフェイスでも増やす(圧縮を下げる)ことが可能です。
このようなピストンをローコンプピストンと言い逆に盛りあがって燃焼室容量を
減らすもの(圧縮をあげるもの)をハイコンプピストンと呼んだりします。

先に書いたとおり高圧縮は回りづらくなるのになんでハイコンプピストンが
あるのか?と言うことになりますが、レースなどではより高い爆発力を得るためには
やはりより高い圧縮が必要になります。
しかしこれでは回らないために今度はバルブが開いてる時間を長くして圧を逃がします。
極端なものだと点火の瞬間だけ閉まればOKみたいなものもあり(ドラッグレーサーなど)
この場合は静圧縮は15~20:1位の高圧縮ですが実際エンジンが回ると12:1くらいまで落ちます。

すごく無駄なようにも見えますが馬力は回転が上がらなければ出ませんし
強い爆発力は高圧縮じゃなと得られないので結局この折り合いにパワーを
得る難しさがあり、これを得るためには実際はエンジン全体の様々な部分の
バランスが必要になります。
圧縮はその1つに過ぎないので、メーカーバランスを崩す時は
やはりリスクが発生する事を覚えておいてください。
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by jyai883 | 2005-03-07 04:16

ハーレーにおけるキャブ口径の選択

現在のハーレーはVロッドを除き、全ての車種に同一のケイヒンCVK40キャブが
採用になっています。
エンジン側の要求で考えると排気量で最大600cc弱、インレットバルブ径で
10mmちかくの違いがるのになぜ同一なのかを考えて見ます。

元々CVになる前のキャブは固定ベンチェリーでスポとビッグツインは35mmと
38mmで直径が違いました。
これはベンチェリー径が変化しないため、より低速側の安定を考え採用されたと
思います。
CVは可変ベンチェリーのためコノ辺はセッティングの範疇になりました。
しかしこれだけ違う排気量にも関わらず全てに共通でセッティングで対応できる
ことはすごい事だと思いますが、これだけでは異なるエンジンの要求を満たせる
理由になりません。

まずオイラが考えたことはそれぞれのエンジンがもつリミッタ-の回転数と
最大トルク回転数です。
これはメーカーが考えたエンジンの安全運転域ですが、TC88は知りませんが
883で6000、1200で5500、1340で5000だったと思います。
トルクも883で4500、1200も同じ位、1340は3600で
1340に至っては2400程度でその80%ほどを発揮しています。

流体としての空気はその通路の直径二乗に比例して流入量が増え、逆に
流速は反比例して遅くなると言う理屈があります。
これは大きい直径の方が多くの吸気が流れる事ができるのですが
流速が落ちるため回転があがり吸入負圧が充分上がるまでは実際のガスの充填量が
減少してしまう事を意味します。
むやみに大きいキャブをつけると低回転がスカるのはこう言う訳です。

より低速を安定させたければ最初から流速があがる小さい口径にすればいいのですが
高回転時は口径が小さいため吸入抵抗が大きくなり回りづらくなります。
逆に大きい物は上記の通り高回転時の負圧が大きい時はスムーズですが低回転時は
流速が上がらず負圧も低いので力がなくなります。

そう考えると40mmと言うキャブの口径はエンジンの要求量が違う1340には少し小さく、
883にはやや大きいと考えられるので上記の理由がそのままバイクのキャラクターに
つながっているように思えるのです。

883は回して走るところに面白みがあり、1340は低回転の巡航時にその醍醐味が
あるとオイラは思うので、これを作為的にメーカーがやってるとすればそれはすごい
ことだと思います。

これを踏まえて自分の欲しい領域を考えれば自ずとリプレイスキャブの口径の
選択に役立つと思います。
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by jyai883 | 2005-03-04 13:00