2010年 05月 12日 ( 2 )

それでは今更にしてCVキャブレター4

さて実際のジェッティング考えて見ましょう。
883におけるダイノジェットのMJ#165というのは883カップの全盛期、雑誌の特集でセッティングがあり
ベンチテストで最高出力がでたセッティングです。
しかしダイノセットには#150から10番飛びなので#160か#170がキットの選択になります。
まあジェットだけばら買いすれば問題ないですが、実は#165はst7のレーシングという扱いだからです。

ここがオイラのセッティングの基本になるのですが、ではなぜ純正ジェットだと#185と言う大きなサイズに
なるかと言えば、メインジェットホルダーの構造に違いがあります。
ダイノはこの部分を専用として穴が2箇所しか開いていません。
考え方としてはMJで軽量されたガスをほとんど生ガスの状態で、通路内に供給し通路ないで混合気と
します。
純正ジェットはホルダーに多くの穴があり空気も一緒に混合して通路に供給しますから、通路内での
混合気は、ダイノより薄くなります。
なのでより多くの混合気を吸い出すため、大きいMJが必要となります。
オイラはどちらも着けましたが、この二つのMJの状態は加速、最高速、燃費ともほとんど同じなため、
オイラはほぼ同じ状態と考えてセッティングを行います。
厳密に言うとダイノの#160のほうが近いかもしれないのですが、それほど違いもないないし、
便宜上丁度20番違いで、比較もしやすいのでそうしています。

さてではなぜ20番もの違いがあるのに同じ状態なのでしょう。
以前にも書きましたが、流体の通過量は通過する管の直径の二乗に比例すると言う公式があります。
この逆は直径に反比例して速度が落ちると言うこのがあるのですが、MJでは非常に細いので、
速度は無視するとして、すべてが同じ条件で通過する管の直径だけが増えたと考える場合、
その比較は直径の二乗でやらなければなりませんから、この場合#185は#165の25%強増しの量が通過することになります。
しかし実際はほぼ同じセッティングと考えるとき、ダイノのシステムは純正ジェットのシステムより
25%増しのガスを供給していることになります。

更に言えば883のノーマルジェットが#165の場合、#185ででベストが出ると考えるとガスを25%
増やしたことになり、ダイノの同番手#165は25%増のガスの供給量が見込めるとも考えます。

オイラがキャブのセッティングを考えるときはこんなことを考えているのです。

1200でも全く同じことが言えるのですが、排気量に対してエアクリーナーの容量が883と同型のため
何らかの加工をしないともう少し小さいMJの選択になることがあります。

前にも書きましたが、オイラがこの結論に至るにはエンジン以外は吸気、排気、点火までSEまたは
それに準じたシステムに変更した上で行っています。
したがっていずれかの選択が違えばおのずと違う結果が出るので、
前ではMJの選択を前後#5としたわけです。
しかし実際にジェッティングをした場合、#10の違いが出るかもしれません。
本当の意味での比較はベンチテストして見なければわかりませんが、諸条件の違い、またそこから来る
システムの特性で変化せざるを得ない状態なのかもしれません。
実際MJの選択は開度3/4以上の全開域で意味があるのものなので、本当にベストを探るとき、
命を懸けるわけには行きませんから、ベンチテストで知ることをお勧めしています。

しかしオイラ行っている数値も参考にはなると思っていますので、このままでもセットは出せるでしょう。
公道走行では全開域より中間加速のニードルのセッティングの方が物を言いますから、
レーシングでもない限りは#5くらいのMJの違いは、フィーリングは体感でも構わないと思います。
逆に言えばここから大きく外れる場合は、どこかのシステムに問題があるのかもしれないことは
念頭においておけば、セッティングしながらそれなりの対処もできるし、またシステムの見直し
にも役立つであろうと、オイラは考えます。

今更キャブのセッティングを書いてどうなんだろう?と思いましたが、キャブがなくなった今だからこそ、
伝えておかなければいけない情報であろうと思います。
メーカーがEFI化した今、キャブの情報はだんだん出づらくなるであろうし、また間違ったセッティングや
対処の仕方、組み合わせなどがまことしやかにネット上で流れるので、ここで今まで書かなかった
オイラの考え方ややり方を書いても、良い時期だろうととも思いました。

キャブのセッティングは、特に1キャブのハーレーにおいて、シンプルな構造のCVだからこそ間違ったことは
危険でもあると思うので良く考えて作業されるべきことだと思います。
またオイラなどより、より専門的な知識がある方々も多いと思います。
そんな方々にもお願いしたいのですが、オイラの記述に間違いや誤解があった場合は、どうぞ遠慮
なさらず書き込みしていただきたいと思います。
すでに主流ではなくなりつつあるキャブですが、使用率はまだまだ高く、間違った常識もまだ耳に聞こえたり
しますから、より正確な情報としてここに残したいと思います。
よろしくお願いします。
[PR]
by jyai883 | 2010-05-12 23:53

それでは今更にしてCVキャブレター3

さて適切なジェッティングがなされれば、ある程度レスポンスは上げることができます。
特にスロー系がうまくいけば、パッと開けのレスポンスも改善されます。
しかし構造的な問題で、ある程度・・・なのでここからは構造的な部分に踏み込みます。

良く知られているのは、スライドバルブ、ニードルホール横にある負圧ホールを拡大することです。
ここをドリルで大きくするのですが、大きさは3mm~3.3mm位の間で大きくても小さくても効果は
落ちます。
これでチャンバー内に生じる負圧は強くなりサクションスピードが上がります。

同時にコレを制御スプリングのイニシャルも抜きますが、年式的には最初から短いスプリングが
組まれているものもあるのですが、転換時期をオイラが把握してないので、確定的な年代はいえません。
言えるのは‘02くらいのものはもう変わっていたし、90年代中期はまだ長かったですね。
心配ならこの作業はやらないほうが良いでしょう。

4速は明らかに長かったので3巻き半ほど切りました。
コレでダイノジェットのスプリングと同じ長さです。

更に問題は薄いガスの補正として、瞬間的なオープンに対処するために、加速ポンプがあるのですが、
ハーレーの場合は開ける度に普通に作動してしまうので、燃費の悪化やセッティング時に濃くなる症状が
出る場合があります。
オイラの4速ではセッティングがしっかりなされれば加速ポンプ無しでも何ら問題ないので、
殺してしまっても良いのですが、折角ついているのでニードルとの兼ね合いで使用します。

具体的には加速ポンプの出を遅らせるのですが、CVの加速ポンプはシャフト直押しではなく、
中間のスプリングの収縮するテンションでロッドアームを作動させるのですが、スプリングを10mmほど
きって作動するまでのテンションを抜いてやることで遅らせることができます。

まあこれもやってもやらなくてもいいのですが、特にセパレート管のように特性的に下が細くなる
システムではノーマルのままのが有効に思うのでやらないほうが良いでしょう。
レースなど加速重視の場合はシフトして加速するたびに作動して、濃いガスが出ることによって、
落ち込みが出てしまうような場合は、加工するか殺してしまったほうが、綺麗に加速できます。

実際機構的な問題の改善ですから、キュブ本体に加工を施すので復元はできません。
復元にはその部分の部品を交換することになります。
またもっとやればいいだろうと無闇な穴の拡大や、個数を増やすのもNGですし、スプリングの切りすぎは
ピストンを制御できなくなりますから、絶対不調になります。
この作業は実際ダイノジェットなどのメーカー加工の模倣ですが、理由が合ってなされる加工ですから、
これらの数値は遵守しなければならないし、素人考えは受け付けない部分ですから、
好奇心からの実験的加工であるならば、後で高い出費が待っていますから、この2つ目の作業は
やらないほうがよいと思います。
正直多くの方は1つ目の作業によるジェッティングの改善で、公道上では満足できるものだからです。


また自信がない場合は、キットを購入し、取り説にしたがって作業するか、作業を依頼するのがもっとも
安全な方法だと思います。
失敗のリスクを考えた部品交換の代金と比べれば、キット価格は安いものです。
オイラはキットの持つ特性がオイラの走りに合わない部分があったため、純正の部品でセットを出しました。
当然やってはいけない加工や思い付きのような加工はやりません。
純正キャブがもつフレキシビリティーとジェットキットが持つパフォーマンスが両立できればいいなと思い、
加工やジェッティングを施しますが、キャブそのものが高性能になるわけではありません。
このことを良く理解しないと無駄な時間を過ごすことになるでしょう。

自分の走りがより高いレベルでの性能を追求するものであれば、それはもうレーシングキャブに求めるしか
ないかもしれません。
その辺の判断ができない状態で、この加工をして性能を言うならばナンセンスです。
これらのセッティングは、ノーマルエンジンの実力を発揮させる上で、その1部分を改善しているに過ぎないのです。

キャブだけやっても違う結果が出るのは、いままでずっと書いてきましたが、その辺も踏まえてキャブを
考えなければいけないでしょう。
特に燃料の供給を行う系統は、可燃物もあるため面白半分に作業される部分ではありませんし、
組みつけの不備や加工の失敗は、傷害や死亡にいたる事故が起こすこともあるので、
この辺は良く考慮されるべきだと思います。
[PR]
by jyai883 | 2010-05-12 09:04