人気ブログランキング | 話題のタグを見る

4速883の20年6

4速883は85‘発表の86モデルから90‘までの90モデルまでの5年間の生産でした。
これは98‘から03までしか生産されなかった1200Sと同じですね。
しかしこの5年間で行われた改良箇所は多く、常に見直され常の改善されてきました。

86‘モデルが登場した翌年モデル87‘ではクロスミッションが組まれ、前後の1ポッドキャリパーも新型に変更されカムプロファイルも見直されています。

88‘ではそれまでのショベルから続く35Φフォークは39Φに変更され、
35Φのケーヒンバタフライキャブは加速ポンプ無しながらCVキャブに変更を受けます。

89‘では後期からCVキャブに加速ポンプが追加され、タンクグラフィックもショベルから続く
ロゴからデザインマークに変更されました。
一説にはフロントフォークにも手が入ったと聞きます。

最終年度の90‘ではリアフェンダーストラットのデザイン変更だけと思いきや、
ミッションギアの部番が変更された事から改良を受けた事が伺われます。

5速モデルの13年間に比べるとあまりに短期で変更がなされています。
これは丁度98‘から03‘に至る5年間の改良に匹敵する頻度であり、
奇しくもその5年間が過ぎると(4速時代から続く部品が新しい物に置き換えられると)新しいエンジンに変更されるのも同じでしたね。

4速が現行生産だった5年間は、レースのツインレースでもハーレーが活躍した時期であり、
つつましいながら第1次スポーツスターブームでした。
87‘までは玉数も少なく、納車1年待ちも当たり前、近藤さんやフリーダムの堀さんが
エボスポーツを使ってレーサーを作り、ドカティを追いかけ回す記事を読んでは、
興奮したものです。

95万から始まった価格も、89‘では円高や物品税撤廃もあって84万まで下がりました。
最終の90‘モデルでも新車価格は88万でした(しかしこの価格に3%の消費税が加算されるのです)。
ある意味この5年間はハーレーというオートバイの中のスポーツスターの存在が大きく変化
した時期かもしれません。
それまで準レーシングモデルとして存在したXR1000からの技術的フィードバックをベースとして開発されたエボスポーツは、最初から高いポテンシャルを持たされて登場したわけです。

その評価もレースで実証してくれたチューナーの方々の活躍によって、もたらされたもので
それまでのハーレー=遅いの観念は大きく変わり、スポーツスターは速いといわれるようになります。
まあ国産に比べれば400ccでさえ同様の馬力は稼ぎ出しますが、ず~と低い回転で
強力なトルクを発生するOHVエンジンの魅力を教えられましたね。

4速883の歴史を見れば、このたった5年間ですが、リアルタイムで見てきたオイラにとっては
ハーレーというバイクの評価が大きく変わったと同時に、スポーツスターフリークを
登場させたきっかけを作った時期でもあると思います。
by jyai883 | 2008-03-26 20:45
<< 御礼! 4速883の20年5 >>