スポーツスターを考える 5

90年代後半のスポーツスターの代表はやはり‘98に登場した1200Sでしょう。
1200S、Cとも‘96に新しく登場しましたが、そのときの印象はエンジンはそのままに、
よりキャラクターが際立ったシリーズで、それまでSTDしかない1200の単純なバリエーション
だと思いました。

しかし‘981200Sは、エンジンはSTDよりハイコンプとし、ツインプラグ化され、
カムプロフィールも見直されたもので、初めて‘981200Sに乗せてもらったときの感想は、
「別モンじゃん」でした。
それまで883のボアアップ高出力版として存在した1200でしたが、
結局のところ最後にボアアップすれば同じじゃんと言うことで、全体の販売台数は883の方が
上でしたが、ツインプラグ1200Sの登場で、この関係は逆転します。
オイラはこの現象のお陰で、以前よりあった883と1200の方向性にの違いがより際立ち、
結果的には良かったことだと思います。

1200Sと883では求められる、走行性能も違いますし、現実的な走行も違うでしょう、
エンジンに物を言わせて走る感じの1200Sと、操作性やタイミングで走る883では、
その走りに求められるものが違いますが、それが分かりやすくなったように思いました。

実はオイラの友人も多くは1200Sですから、1200Sに関しては‘02以外全部の年式に
乗ったことがあります。
オイラにとってはフロントの強力なWディスクを使うブレーキングと、それまでやってきたリアブレーキ
重視のハーレー的乗り方が整合しないので、当初は酷く乗りづらく感じた事を思い出します。
いっそ日本車のように乗ってしまった方が、乗りやすく、ビューエルを除けば、
初めてフロントブレーキングを意識したハーレーだったと思います。

最初、友人をそそのかして、買わせた‘981200Sに乗せてもらったときは、コレだったらこのままでも
サスペンションだけセッティングすれば良いかなと思えましたね。
その後高速などで乗せてもらうと、高回転での伸びの少なさなどが気になったものの、
法廷速度+α程度の日常的な速度域では、非常にパワフルで、速いモデルだと思います。
その後も‘99‘00‘01‘03などに乗せてもらうと、年式を追うごとに細かい改善も見られました。
まあ最終的にはモジュールの変更と吸排気チューンくらいは、皆行われることにより、
ノーマルで感じた、不満も解消され、できればハイカムまで組まれれば、もう1200スポーツモデルと
して申し分のないものになると思います。

1200Sにおけるツインプラグの採用は、ガスの希薄化に伴う、遅らされた点火タイミングを、
高圧縮化と火炎伝播速度の向上により、ノッキング対策と出力アップと言う反する課題への回答であろうと
オイラは考えますが、実際に乗ったときに感じるパワフルさは、そんな事をどうでもいいことに
してしまうには十分だったと思います。

何よりそれまで少なからずトライされてきたであろう、速いスポーツスターに対する、
メーカーサイドの答えだったとオイラは思います。
実際ツインプラグ化などしなくても高出力化が可能なことは、ビューエル搭載のEVOエンジンが
実証していると思いますが、スタイル的にスポーツスターではないビューエルとは、競合しない
スポーツ性だと思います。
オイラはみんなが目指した速いスポーツスターの回答として、カンパニーが満を持して出してきたモデル
であろうと今でも思います。

確かに同じ場所を国産スーパースポーツで走るのといくら速いとはいえ1200Sで走るのとでは、
ライダーが受ける印象は違うでしょうが、どっちが面白いかと言えば、オイラは1200Sで走る方が
断然面白いと思います。

よくよく考えれば、4速スポと同じように、ツインプラグ1200Sは、5年間しか生産されませんでしたが、
ある一つの回答としてのスポーツスターのコンプリートモデルと考えれば、
これほど売れたモデルは無かったでしょうね。

EVOエンジンになりXRが消えたように、ラバーマウントになりSモデルは消えました。
しかしコレが単純な生産中止ではなく、次世代へと昇華されたとオイラは思います。
[PR]
by jyai883 | 2011-07-13 22:14
<< スポーツスターを考える 6 スポーツスターを考える4 >>