今日は読書の話をしましょう。
オイラは本を読むことが好きで良く読書をしますが、頭が悪いせいか1度では飽き足らず、 最低でも4~5回は読み返すため、文庫本などはボロボロになり、古本屋でも買ってもらえない 状態になります(笑。 よく読むのは哲学、インド哲学本ですが、これなどは読みすぎて装丁などがバラバラになり、 奥様にはゴミなら捨てろと言われます(笑。 小説はほとんど読まず、思想書も本人が書いたもの以外は読みません。 暗殺された民権運動家マーチンルーサーキング牧師の名前が、実は英語読みではない、 マルティンルターと同じだったと知ったのは、本人の書いた本でした。 ノンフィクションは好きでよく読みますが、特に戦記ものは好きですね。 戦記ものでは、丁寧な取材に基づいた戦記小説も読みます。 戦記ものを読むようになったきっかけは、小学校4年のとき、あまりに本を読まないオイラに 親父が与えた1冊の本でした。 それが坂井三郎著「大空のサムライ」だったもんですから、事実と経験に基づいた記述が これほど面白いのもなのかと、それ以来戦記モノを読むようになったのですが、実際に 従軍し本人が著作したもの以外、つまり丁寧な取材と多くの関係者よりの聞き取りを 行って書かれた小説以外は、資料と事実の表面的な記述に想像が加わるだけで、 あまり面白くありません。 やはり自分の経験を書かれたものが1番面白いと思うのですが、当然階級社会のことですから、 立場によって考え方が違うので、それが総意ではないことも踏まえて読んでいかなければ いけないと思います。 さて昨今映画の世界では宇宙も海も「大和」ブームでした。 大和と言えば、当然日本帝国海軍の戦艦「大和」ですが、今でも世界最大の戦艦であることは 間違いなく、これより大きな戦艦は未だにありません。 現在戦艦を所有しているのは、アメリカしかなく戦艦ミズーリをなどを含む所謂アイオワ級4隻以外 ありません。 にこの4隻は全て退役、ないしはモスボールされていますが、1隻も廃艦になっていないのが面白いですね。 戦略上ではすでに海上では、戦艦という艦船の必要性は無きに等しいものですが。 湾岸戦争の時のように、プラットホームとしての容量の大きさと、電子機器に容易に置き換えることが出来る容積、 そして強力な海上打撃能力と防御力がありますから、取ってあるといえるでしょう。 さて戦艦大和です、有名な本としては最後の沖縄特攻に乗り込み生還した青年士官だった、 吉田満著の「戦艦大和の最後」でしょう。 その臨場感と過酷な戦場の描写は秀逸であると思いますが、実はこの本には異なる原稿が二稿あり、 最初のものはGHQにより発禁とされ、その改訂稿がその後刊行されました。 現在ではちくま学芸文庫「戦艦大和と戦後」保坂正康編で、両方読むことが出来ますが、 時間の経過がもたらした著者の心情変化も読み取れます。 もっとも有名なこの本は後、手首切断の記述に対してのその事実があったかなかったかの 論争を巻き起こします。 色々読んでいくと確かに戦艦大和やゼロ戦などに対する記述は多く、豊富に語られますが、 非常に少ない記述であっても興味深いものもあります。 例えば「戦艦武蔵」などもそうですね。 実は実際に連合艦隊司令長が座乗し、旗艦であった戦艦は、長門のあとは武蔵でした。 この事実は計画時からそうであったことが、この武蔵建造に関して非常に丁寧な取材と 資料をもとに、おもに建造に関して書かれた小説「戦艦武蔵」吉村昭著新潮文庫に 詳しく書かれています。 最初から旗艦として建造されたため、司令長官私室などは木工調度に贅が尽くされ、 かつそれを民間会社である三菱重工が建造しているのが面白いところです。 大和はドック建造でしたから、水を入れれば進水できますが、武蔵は船台建造だっため、 進水までの多くの労苦と工夫を必要とし、艦を進水させるために様々な研究と工事施し、 最高機密保持とその管理の労苦は驚くばかりです。 長崎で建造された武蔵は、そのまま進水させると対岸に衝突してしまい、 それをどうするか、そして進水した後の機密保持をどうするか、そもそもそんなデカイものを、 どうやって就航まで隠し通すのか、興味は尽きません。 それまでの船台進水の記録はイギリスのクイーンエリザベスでしたが、それを大きくしのぎ それに対する技術など全て手探り状態から始まっているのですから。 挙句に進水直前滑り落ちる船台に艦の重量が移されていく途中、ドックの床がその加重に 絶えられず裂けてしまうというアクシデントつきです。 「戦艦大和」はいろいろ多くの記述が残されていますが、レイテ海戦、それもその初頭に 撃沈されてしまった「武蔵」関しては、それほどスポットが当たることも少なく、 オイラはこの本を読んで、一気に「戦艦武蔵」にのめりこんでいきました。
by jyai883
| 2011-02-19 10:58
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