ではトランスミッションです。
4速のトランスミッションはショベルスポーツ以来のものですが、シフターのロック機構が違います。 また5速エンジンとは全てにおいて違います。 スポーツスターはショベルの頃よりミッションに弱点があると言われ続けていますが、そもそもの ミッションギアそのものに強度が足りないことに起因しています。 原因云々より、トラブルを如何にこれを回避するかですが、決定的な解決策はありません、 故にオーナーがこの辺のことを良く自覚して付き合っていくしかないのですが、完全ではありませんが 多少の改善策がないことは無いですね。 様々な原因で最終的にミッションの粉砕に至りますが、いくつかの違った過程があり、 結局は割れた砕片がギアに挟まり、ミッションロックからシャフトの破断、最悪ケースの粉砕に 至ります。 各部が割れ破片が発生する原因は、シフターの4速独自のロック機構が折れて破片となる。 シフターフォークのフィンガーローラーまたはシフターフォークが磨耗する。 ギアそのものに割れが生じる。 ギアドッグが欠けて破片になる。 メインまたはカウンターシャフトが磨耗により破断するなどでしょうか。 いずれの場合も最悪は破片がギアに噛み込むためにミッションロックが起こると考えます。 又いずれかの原因から、2次的に上記の症状が起こり、ミッションロックに至るとも考えられます。 またいずれかの状態が単独で起こった場合、ミッションロックに至らなくても、変速困難な状況に なるでしょう。 さて、では如何に回避するかですが、まずクラッチ調整において引きずることは避けたほうがいいでしょう。 発進時などはしっかりクラッチを意識的に切れるでしょうから良いでしょうが、走行中のシフトアップ、 またはシフトダウンでは、確実に意識的に切ってる方が少ないでしょうから、極端に遊びを出すことは、 レリーズ側でもワイヤー側でもやめた方が良いと思います。 だからと言って全く遊びが無いの危険ですから、レリーズ側では規定で、ワイヤー側でもなるべく 少なく出した方が良いと思います。 シフトにおいてはすばやいシフトより確実なものを心がけた方が良く、走りを意識したすばやいものは 短時間又短距離に限定した方が良いと思います。 シフトストロークの長さがあるため、意識がないシフトは不確実になる場合もあり、1工程の長さを 意識した確実なシフトが、シフター、ギアの変速においては、不確実な状態を回避できる最大の手段 だと思います。 不確実な変速はギアドックの欠けを起こす場合もあるし、シフター機構に変なクセや磨耗を起こさせる 原因ともなります。 ギアオイルの選択もある程度必要だと思います。 この辺の選択は最低でも純正以上のものが確実に思います。 最近は全てフォーミュラープラスに変更されていますが、オイラはSYN3のような専用化ケミカルオイルで、 ギアにも仕えると言われるものは、大丈夫だと思います。 最終的にはシフターのあたり面の研磨や面取りなど、如何にスムーズに動かすかが肝になると思うのですが、 これらは対処療法であるため、最初から強度が不足している機構ですから、ある程度の覚悟は 必要となります。 特に883などではそうでもないのですが、1200など下から大きなトルクがかかる場合は、 ギアドックの強度不足も感じますから、下で繋いで急激に大きなトルクを掛ける走りでは危険が伴い、 ある程度の回転を与えておいてから、トルクより回転が上がる方向でシフトしてやらないと、 必ずと言っていいほどドック欠けが発生してしますし、だからと言って極端に高い回転数のシフトでは、 ギアがはじかれてしまいますから、1200のフルパワーを十分にシフトで楽しむことは、 オイラは難しいと考えますし、大きなパワーを余裕として使った方が、ミッションへの負担は少ないで しょうから、低速からのダッシュを考えるより、余裕を持った中間加速を重視した方が良いように 思います。 ミッションのギア比が‘86から‘87になったときに変更されていますから、その後‘89までと‘90からで、 3種類のギアが存在することになります。 さらに後年強化型の対策カウンターシャフトがメーカーから発売され、スラスト溝が太いため、 ギアは専用になるので、これを含めれば4種類と言うことになります。 さらに有名なところでは社外のアンドリュースがありますから、選択をどこにするか、また現在供給される部品 が、統合されているかどうかで仕様も変わってしまいます。 同じように良く折損が起こりうる、シフターのロッカーフォロアも3種類くらい存在し、 現在は最終の枝番ーBらしいのですが、オイラの‘89でもB品番だったことから、 いずれの部品を使用しようとも、トラブルを避ける努力をしていないと、起こりうるトラブルだと思います。 シフターなどもVtwinなどで社外が手に入りますが、同様の形状でも焼き入れなどの品質は やはり純正部品の方が高く、ギアに関してはアンドリュースが高い品質を確保していますから、 必然選択されるパーツは限定されてしまうのは致し方ないでしょう。 チューニングをしたり、セッティングしたりすると幅の広いギアは1ギアで驚くほど広い速度範囲を カバーできてしまったりするのですが、それを過信して極低速からのフル加速や、高速走行時の フル加速に伴うシフトダウンは、ギアに対しての負担を考えると注意が必要でしょう。 また、極端なエンジンブレーキによる大きなバックトルクもギアの負担を考えると、 注意すべきでしょう。 特にトラブルの発生ポイントはシフトアップ時に良く起こることが知られているので、 そのときのシフトとクラッチワークは確実に注意深く行うことをお勧めします。 又、万が一引っかかりや、抵抗、いつもと違う感触をシフトから感じた場合は無理をせず、 1度オイル交換をしてみたり、そのとき破片や欠落パーツが無いか点検することをお勧めします。 いずれにしろ、4速ミッションは過激な使用に耐えうるほど丈夫なものではないことを理解すれば、 そうそうトラブルに見舞われることも少ないと思いますが、注意するに越したことは、 ありませんね。
by jyai883
| 2010-09-29 22:55
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