ではいよいよジャンル別に入っていきますか。
では最初はオイラが好きな潜水艦から行きましょう(笑。 潜水艦映画は実に地味です(笑。 場面展開も少なし、筋書きも大体決まってるし。 でも逆にドラマ性と言う上では、非常に心理的であり、派手な場面がない分じっくり考えながら 見れるのでオイラは好きですね。 まず潜水艦の映画となれば、戦うのは駆逐艦と相場は決まっていますが、 手に汗にぎり、ついでに息まで詰まってしまうのは「Uボート」でしょうね。 これは潜水艦の映画としては白眉だと思います。 もともとはTVシリーズが映画カットされて上映されたものですが、もう見ながら息を殺して 画面を見つめてしまうくらい、引き込まれるものがありました。 潜水艦の映画は、ほとんどのシーンが館内の狭い空間に限られたものがほとんどですが、 現在とは違い、駆逐艦の対潜攻撃に対してはほとんど無力だった、当時の潜水艦のじっと恐怖に 耐える姿とその中での、乗り組み員の心理描写は、見るものを引き込む迫力は、すごいものがあります。 Uボート公開以前の映画では、オイラは「眼下の敵」がもっとも面白い映画でした。 これもまた、駆逐艦艦長のロバートミッチャムとUボート艦長のクルトユルゲンス以外、登場人物 が判らないくらいの映画ですが、この映画では駆逐艦対潜水艦の白熱した心理戦が、 展開されます。 すべての戦場はほとんど海図上の上、武器は三角定規とコンパス、ドコで進路を反転し、 ドコでその裏をかくか、そんな心理的展開が延々続けられます。 正直潜水艦の映画は、場面的には非常に地味ですが、そこで行われる心理戦が、推理小説以上に 面白く、そして高度です。 この映画も最後は作戦的にUボートが魚雷を打ち込み勝つのですが、駆逐艦のダメージにも関わらず 退艦を偽装し駆逐艦が、浮上するUボートを砲撃して、最終的な勝利を収めます。 お互い戦争は嫌うものの、任務には忠実であろうとし、お互いの力量を認め合い、戦わない闘いが 延々続きいていきます。 まあ潜水艦といえば、ソナーの音やレシーバーをかけた水測員、爆雷戦、魚雷戦というのが通り相場 で、艦長は帽子を逆さに被り、潜望鏡をのぞいてるシーンが思い浮かびます。 まあ実際の前大戦では、潜水艦の役割は補助的な通商破壊や、待ち伏せ攻撃などがほとんどでしたし、 監視、通報などもおもな任務でしたから、地味なのは仕方ありませんが、意外と少ない映画でも、 傑作が多いのは、心理的でありドラマ性が豊かだからかもしれません。 近年日本映画でも「ローレライ」や「真夏のオリオン」などもありますが、描写に明らかな間違いなども あり興ざめするところもあります。 どちらの映画にも潜水艦同士の魚雷戦がありますが、前大戦ではどちらかが浮上航行しているとき 以外は、魚雷攻撃は出来ませんでした。 アメリカも日本も潜水艦には程度の差こそあれ、水中聴音機やソナーは搭載されていました。 しかしこれで大体の深度や方向が把握できたところで、魚雷は命中しません。 なぜならお互いが潜ってしまえば、水中で照準することが不可能だからです。 今は魚雷そのものがソナーを装備するアクティブホーミング魚雷があるため、撃ちっ放しでも 魚雷が機関音やそのものの船影を捉えて、攻撃しますが。 これに対してマスカーと呼ばれる擬音装置を射出して、射線外すことはありますが、 当時は照準してからの射出であり、撃ってしまえば制御も操作も出来ないのですから照準できなければ当たるわけがないのです。 つまり当時はもし洋上で敵潜水艦に出くわしたらどうなるか?。 お互い緊急潜行して、終わりでした。 そのままゆっくり距離をとって、離れていってお終いだったらしいです。 仮にどちらかの発見が早く、先に撃てればあたったかも知れませんが、完全な水中攻撃は比較的 最近まではありえなかったことになります。 実際の潜水艦乗組員は、狭い艦内に常に一緒にいるため、規律は結構自由だったと聞いています。 古い日本映画に「イー57降伏せず」という映画があります。 内容は大戦末期、和平工作のための要人を載せ、日本の潜水艦がシンガポールから、 アフリカのスペイン領、カナリア諸島に行くという話しなのですが、 オイラが生まれた年の製作ですから、もう50年ほど前の映画ですが、このときは自衛隊全面協力 のもと本物の潜水艦が撮影に使用され、実際に潜行、浮上のシーンも本物で行われていました。 ここで描写される艦内生活は、まるで工事現場の飯場のようで、艦長を現場所長、士官が各担当の 監督でその下、下士官を親方とする職人集団が存在するみたいに描かれています(笑。 当然任務に対してのみ責任を負う艦長のしたには、艦全体を取り仕切る先任士官が全体を調整し、 各部の配置や専門的な業務は専任の担当士官が指揮し、下士官が兵を統率して任務に当たるのですが、 まるで工事現場です(笑。 最近気づいたのですが、近年の作品と戦後間もない頃の作品では、軍隊そのものの描き方や、 兵員の描き方に違いがあるのですが、それはこの次に書きましょう。
by jyai883
| 2010-08-20 11:07
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